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2026.3.5

レポート:映画『村の写真集』藤竜也さん アフタートーク

2026年2月27日、第3回北九州国際映画祭の前夜祭イベントとして、映画『村の写真集』が、北九州市の名門映画館「小倉昭和館」にて上映されました。

ゲストには主演を務めた藤竜也さんが登壇し、20年以上前の作品が今なお愛され続ける理由や、撮影当時の秘話、そして北九州という街への深い縁が藤さんの口から情熱的に語られました。

「煙突から立ち上る色とりどりの煙」ー 61年前、工業地帯のエネルギーに震えた記憶

上映前の挨拶で、藤竜也さんは北九州との長い付き合いについて振り返りました。初めてこの地を訪れたのは今から61年も前のこと、当時は林立する煙突から色とりどりの煙がモクモクと立ち上っており、その圧倒的な迫力に「生き生きとした工業地帯のエネルギー」を感じて感動したといいます。

その後も、近浦啓監督の『大いなる不在』など、北九州を舞台にした作品に深く関わってきた藤さんにとって、この街は非常に縁の深い大切な場所であることが明かされました。

 

「靴も履けず、ビーチサンダルで上海へ」ー 反日デモと激痛の痛風を越えた、国際映画祭での奇跡

上映後のトークでは、本作が第8回上海国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞をダブル受賞した際の、驚きのエピソードが披露されました。

当時は中国国内で反日デモが激化しており、周囲からは渡航を心配されましたが、藤さんは「心を込めて作ったものを評価してくれるなら」と決死の覚悟で上海入りを決意しました。しかし、その舞台裏では重度の「痛風」に苦しんでおり、実際には靴すら履けず、ビーチサンダルに杖をついて空港へ向かうという満身創痍の状態だったそうです。

そんな状況下でも、現地の俳優から「あなたたちの作品は賞を獲る価値がある」と祝福された経験は、国境を越えた映画の力を再確認する忘れられない記憶となったと振り返りました。

 

「フィルムの傷さえも、クラシックな趣」ー 35mmフィルムに刻まれた、映画と共に歩む人生

35mmフィルムで撮影をされた映画『村の写真集』は、小倉昭和館の樋口智巳館主の強いご意向もあり、公開当初の貴重な35mmフィルムで上映されました。

フィルム特有の傷やノイズさえも「クラシックな趣」として慈しむ藤さんの姿は、まさに映画と共に歩んできた人生そのものを象徴していました。上映会は、時を経ても色褪せない作品の魅力と、藤さんの温かい人柄に包まれた感動的な一夜となりました。

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